伝統的な日本文化に強い興味を持つ外国人にとって
フジヤマ、ゲーシャ、キョートは外せない単語。
日本人にとっても1000年の歴史を誇る古都・京都は
特別な存在といって過言ではないでしょう。
季節を問わず観光客を呼び寄せ
修学旅行の定番先でもある京都。
その玄関先でもある京都駅について、ちょっと調べてみました。
京都駅のあゆみ
京都駅の開業は明治10年。
初期の駅舎は赤レンガの洋風な建物で、「七条ステンショ」と呼ばれ
完成祝賀会には明治天皇も出席されるほど、注目された建築物でした。
大正3年には、大正天皇の即位式に合わせて新たな駅舎を建築。
新しい駅舎はルネサンス様式による総ヒノキ造りの2階建てで
ながらく親しまれていましたが、戦後間もない昭和25年11月に焼失。
そこで翌年の昭和26年に3代目となる新駅舎の建築がはじまり、
昭和27年、鉄筋コンクリート造りの現代風な駅舎が完成したのです。
現在社会の第一線で活躍している年代の人達が学生時代、
修学旅行で京都を訪れた時は、この3代目の駅舎だったんですね。
やがて駅の老朽化や増加する観光客などに対処するべく
新駅舎建設を望む声が高まり、
平成7年、公募によって駅舎デザインを募集。
その結果、東大教授の原広司氏デザインが採択され、
4代目駅舎が建築されましたが、ここで思わぬ論争が起きました。
京都駅景観論争
4代目の駅舎は、
ガラスやアルミをふんだんに使った近未来的デザインで
「京都の持つイメージにそぐわない」と、
周辺の商店や寺院も巻き込み、
景観論争に発展したのです。
この論争の時に思い出したのが、ルーブル美術館に建設された
「ルーヴル・ピラミッド」。
古典的で優雅なルーヴル宮殿の前に、メイン・エントランスとして
ガラスを組み合わせた巨大なピラミッドが建築され、
その外観や景観について、フランス国内だけではなく
世界中から賛否両論が巻き起こりました。
伝統や格式のある古きものと最先端技術を駆使した新しきもの。
過去と未来のコラボには、このような論争が付き物なのかもしれません。
ただし、大抵は「時」が解決してくれるもの。
両者とも今は普通に受け入れられ、愛されているのです。
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