夏目漱石の後期三部作は?だいたいの内容を知りたい!

言葉
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名作を多く生み出した文豪、夏目漱石の作品
には三部作と呼ばれるものがあります。

前記三部作は、「三四郎」「それから」「門」、
そして後期三部作が「彼岸過迄」「行人」「こころ」
です。

後期三部作と呼ばれている
「彼岸過迄」「行人」「こころ」
はどのようなお話なのでしょうか。

後期三部作三作品の内容をおおまかに
ご紹介します。

短編を集めて一つの長編にした「彼岸過迄」

「彼岸過迄」は夏目漱石の作品の中でも
他のものとは変わった手法を用いており、
短編を集めて一つの長編にしてあります。

誠実だけれど内向的な男性、須永は、
天真爛漫で怖いものなしの従姉妹の千代子
愛し合っています。

けれど、須永は千代子を愛しながらもどこかで
彼女を恐れていますし、千代子は須永の
煮え切らないところに憤りを感じながらも、
須永のことを愛しています。

そんなぎくしゃくした二人の関係を描いた
「彼岸過迄」ですが、夏目漱石は須永を
自分自身に重ねあわせていると言われています。

この作品は短編をまとめている作風ですので、
途中で話者が変わる面白さがあります。

病気のために途中で5ヶ月中断した後に完成した「行人」

長野二郎は、夫婦仲がうまくいっていない兄の
一郎から、一郎の妻のと一夜をともに過ごす
ようにと頼まれます。

反発する二郎ですが、行きがかり上、直と二郎は
和歌山で一晩ともに過ごすことになります。

帰ってから兄嫁をかばった二郎に対して、
一郎はひどく怒ります。

そして二郎が帰郷してからも、夫婦仲が
うまくいかない理由を妻に押し付けて、
精神が崩れていきます。

その後の一郎のおかしな様子はとどまることなく、
二郎は一郎の友人であるHさんに一緒に旅行に
でてもらいますが、Hさんの手紙から一郎の
おかしな言動がわかるというお話です。

夏目漱石の作品の中でも最も有名な作品の一つ「こころ」

語り手の「私」は、夏休みに「先生」
と出会います。

奥さんとひっそり暮らしている先生と交流を
始める「私」ですが、父の病気が思わしくない
ために先生と別れて帰省します。

その後、先生から遺書が届き、
あわてて東京行きの記者に乗ります。

先生は手紙の中に自分と奥さん、
そして先生の友人のKとの関係について
語ります。

友情と恋の板挟みになって恋をとった
先生の苦悩が手紙の中に綴られているのです。

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後期三部作は、前記三部作のような
つながりは特にありません。

しかし、誰にでもあるエゴについて、
そして近代人の苦悩について語っている
ことに共通点を見出すことができます。

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